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『ごらんの通りよ。でも、メインはこれからです』
『えっ、メイン?』
『さー、付いて来て』
彼女は、その尾ビレをこっちに向けて泳ぎだした。
僕は、彼女につづくしかなかった。
赤い魚は、水面の近くまで行くと、
『もう少ししたら、下から湧き上がってきますから、逃げないようにね』
『‥‥?』
やがて、彼女が言った通り、何やらブクブクという音と共に湧き上がってきた、温かい流れがあった。
そして僕と彼女の体を、激しく水面の上へと突き上げた。
『ウワー! どうなるんですかー?』
その瞬間、彼女と僕の体は、ピカッ! と光った。
直後、それぞれの体は、大変身した。
それぞれの体には大きな翼が生え、白昼の水上に浮いていた。
いや、飛んでいた。
彼女も僕も、普通の大きな鳥になっていたのだ。
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