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「俺はお前は覚悟があって行動してるように見えた
だから止めなかった」
俺の言葉に莉音はようやく俺を見る。
「頼って貰えなかったし、記憶消されたことはまぁ腹たってるが、でもなんでお前がそうしたか考えたら別に間違ってたとは思わない」
『け、っかがこれでも?』
「だってお前、皆の命守れたじゃん。ダメなのかよ?」
薬は完成してしまったかもしれない
けど、皆生きてるし、無事なんだ。
俺は不安で押しつぶされてしまいそうな表情をする莉音を抱きしめる。
「皆無事なんだよ。大丈夫だ」
すると子供のように声を上げ泣き始めた莉音。
俺はただ、背中をぽんぽんと叩きあやす。
「大丈夫。大丈夫だから」
夜な夜な泣いている莉音を抱きしめるだけだった1週間。
やっと俺と話してくれて、溜め込んでいるものを流しはじめて安心する。
皆、無事なのに、お前だけこんな心に傷が出来てて、溜め込んで、お前は馬鹿だよ。
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