イミテーション フレンズ

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 夏の駅に降り立ったのに、私は冬の景色を思い出した。  真冬の帰り道、雪で覆われたアスファルトの道を一人で歩いたあの日。    いつもは忘れてしまっているのに、時々ふっと思い出すことがある。  今更、あの頃のことを思い出すなんて。私の中に未だ消えない何かがあるんだろうか。  夏の暑さのせいなのか、冬の記憶のせいなのか、軽い眩暈を感じながら私はスマホをカバンから取り出し、妹に電話をかける。  私は駅舎から足を進める。アスファルトからジャリという音が聞こえた。東京だとこんな風にアスファルトから跳ね返る音をあまり聞かない気がするな。  私はそんなことを思いながら、昔は毎日のように使っていた駅舎を振り返り、あの頃の私を探した。  明日は高校の同窓会だ。
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