解体工事

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解体工事

「ねえ…草間くん、放課後空いてる?」 「もしもーし、おーい草間くーん」 「あ、ごめん。何?」 草間なんて苗字はクラスに僕しかいないけど、気が付かなかった。隣の席の相川さんとは全然話したことも無くて、まさか僕に対して声をかけてくるとは思わなかったんだ。 「放課後空いてるか聞いたんだけど」 「ああ、空いてるよ」 「よかった。じゃあ、ホームルーム終わったら教室残っててもらえるかな」 「わかった」 告白されるのかとドキドキしている自分 と 早とちりだから期待してはいけない、とドキドキを抑えようとしている自分がいる。けれども、ドキドキしている自分が優勢で心が跳ねてしまう。 客観的に考えれば、大して仲良くもない話したこともほとんど無いような男子に告白なんてする訳がないが、客観的思考など今の僕には出来なかった。 というのも僕は相川さんのことが好きなのである。透き通った声も白い肌もポニーテールに結った髪もも細くて長い指も何もかもが愛らしく、触れたい、穢したいという衝動に駆られる。そんな好きな子からのお誘いなんて冷静でいれるわけがない。
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