傷だらけのアイシングクッキー

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 305号室の鍵が開く音がして声がする。この声は噂の真だ。 「光高ー?」 「良いところに真さんが来てくれましたね」 (全然良くない)  せめて神倉であればまだマシだっただろうが、真は後々までネタにしてくるだろう。しかし、現実的な問題としてこのまま里依さんと手錠で繋がったままお風呂や着替えが出来ないのは困る。  僕は恥やら何やらをかなぐり捨てて真に助けを求めることした。リビングから顔をそっと覗かせると、僕の気配に気が付いた真が振り返る。 「トリックオアトリー......ーーうぁぁぁぁぁあゾンビ!!!!」 「あっ、待っ」  僕の静止をものともせず真は飛び出して行ってしまった。 「あっ......逃げられちゃいましたね」  確かに真が逃げるという里依さんの読みは大当たりだ。これで真に茶化されることもない。しかし、一目で逃げ出したくなるほどのゾンビメイクとをされていると思うと複雑である。 (一体、僕はどんな顔にされてしまっているんだ)
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