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生い茂ってる草を手でどけながら湖の側に
弱りきった狼を膝の上に寝かせた。
チャプ
琴は両手で水をすくうと狼の口元に運んだ
しかし水は狼の頬に流れただけだった。
いつの間にか気を失っている狼に水を飲むことは出来なかった
ぅ~んと琴は考えると水を口に含み
狼を抱き上げキスをした。
ゴクゴク
狼は一瞬ピクッと体を動かしたが素直に
琴に体を預け,前足で琴の腕を掴んだ。
しばらくすると突然狼がぁのコバルトブルーの
瞳を見開き思い切り琴の膝を蹴った。
琴「…痛っ--!」
狼はチラリと琴の方を見た。
琴「もぉ………大丈夫??」
ニッコリと優しい眼差しで狼に笑いかけた。
狼「………ワォーーーーン!!!!」
狼は一声上げると体を震い,
琴の前から去った。
琴「ぁっ!………
行っちゃった………
まぁ大丈夫そぅだし心配しなくても良いかな」
琴はまた一人ぼっちになり淋しさを
身にしみながらも自分も少し水を飲み
また当てもなく歩き出した。
気が付けば太陽は地平線の彼方からうっすら
見える程度に落ち,辺りは暗闇になって
夜の静けさと冷たい風が琴の体を包み込んだ。
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