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「ハハッ、
大丈夫だよ。
でも珍しいなぁ
琴ちゃんがこんな失敗するなんて。
彼氏の事でも考えてたかな??」
「いえ、本当に申し訳ありませんでした。」
お客様は、固いなぁと寂しく言って酒をクイッと飲んだ。
このお客様は、良く来ていて頂いて
とても優しく紳士的なおじさんだ。
でも、時々からかわれちゃう時があったら流しちゃうんだけどね。
「ハァ~…
琴、
下がってなさい!!
すみませんね、お客様。」
母は私にきつく言うと、お客様に頭を下げて謝っていた。
「…はい。」
私は礼をしてから、襖を開けお座敷から出た。
ハァ~~
失敗しちゃったなぁ……
「琴!!
待ちなさい!!
何してるの…貴方はこの篠崎旅館の
跡取り娘なのですよ。
こんな失敗があっては」
「はい、分かっています。
すみません、反省として蔵の掃除をしに行きますので失礼します。」
「琴、待ちな」
私は、母の言葉を聞かず早々に走り去った。
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