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#1記念日の裏切り
彼には大学の入学式、その初めて会った日に『一目惚れしました付き合ってください』って言われたんだっけな。
大学で明らかに一番の男前で、背もすらりと高くて注目を浴びていた彼。
一方僕は平凡な容姿で、どこにでもいる普通の大学生。
特徴があるとすれば、柔らかい髪質、男にしては大きな瞳が少し吊りぎみで『猫みたいだね』って周りによく言われることぐらい。
こんな素敵な人が僕に一目惚れとか何でなんだろう、でも人生一番の幸運だ!なんて感激したもんだった。
でも・・
彼は付き合いだすと、ことごとく言った。
『こういう服着てみてよ』
『こういう髪の色にしてみて!似合いそう』
最初はそういうのが単純にタイプなんだと思ってた。だから彼の架空の理想に近づこうと努力した。
僕たちが一緒に住む様になると、それは尚更顕著になった。鞄はこういうデザイン、スマホカバーはこれにしたらって感じで。
こだわりが強い人なのかなあと思っていたんだけど。
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