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「近ごろの女の子はずっとスマホスマホで、俺っちのような魔法の妖精が話しかけても聞こえやしない。けど、真歩、きみは違う。仕事が終われば、まっすぐ家に帰って一人で晩酌。特になにかするわけでもなく、ぼんやりとテレビを眺めている。実に暇そうです。だから声をかけました」  ぜんぜんうれしくない理由だった。素質や才能があるわけでもなく、ただ暇そうな干物女と思われたがゆえに、わたしは選ばれたわけか。 「いかがですか? 魔法少女になって一緒に世界を平和にしてみませんか?」  ぐいっと顔を近づけ、つぶらな瞳でモッピィが見つめてくる。かわいい顔をしてるもんだから、思わずキュンとしてしまう。  悪徳商法や怪しげな新興宗教に誘われている気分だ。つまり、うさんくさい。  そんなわたしの心を読んだかのように、モッピィはつけ加えた。 「今からお試しで、魔法少女活動してみませんか?」 「そんなことできるの?」 「ええ。もちろん」  モッピィは大きな目を、にゅっと細めた。
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