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「よーし、これで大丈夫だろ。助かったわ」
「いえいえ」
かなり日が傾いてきた。時間を確認すると、十六時四十分だった。ちょうどいい時間に終わったようだ。速やかに鳥居へと戻ることにする。
「しかし、もったいないよなあ。自分のも持って帰りたかったのに」
「僕のを分けようか?」
「いや、それはズルだよ」
冗談じゃない、と心の中で嘲笑う。頼まれたってもらってやるものか。
「じゃあ、すぐに自分用の籠をもらってさ、急いで拾えばいいんじゃない?」
「あー……アリだなそれ」
そうだ、まだ間に合う。その提案を受けて足早に鳥居へと戻り、新たな籠をもらう。
他の生徒たちはもう戻らないようだった。タカシは駆け足で鳥居の奥へと進んでいく。
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