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どうして俺は、こんな恐ろしい行事に立候補してしまったんだ。
タカシは自分の行動力、そして勝ち残った運を強烈に悔やんでいた。ちらりと両腕に装着した腕時計を確認する。何があっても十七時までには絶対に戻ってこいと言われた。それまでに帰ってこなければ、どうなっても知らないらしい。
ノルマはひとりにつき籠三つ。子供らは黙々と作業に取り組んでいた。冷たい緊張感が張り詰めている。何だかここはとても居心地が悪い。常に人知を越えた何かが、どこかから自分たちを監視している気がする。みんなやけに汗をかいていた。いつ、栗もどきを拾ってしまうか分からない。そのストレスの中で栗を拾い続けるのは、余計に体力を消費する。もう頭がどうにかなってしまいそうだった。
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