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テレビ
カッパマニア
「いいや!そんなわけない!
幻覚だったら…他のものを
見たって良かったはずだ!」
私はテレビの討論を見ながら昼食の
茄子とピーマンの味噌炒め丼を
食べ進め、麦茶で流す…
もし、幻覚なら…突然、消えてもおかしくないはず
だけど…私は見た、この目で
紫河童さんが激流の増水した川に飛び込んだ所を…
…討論が白熱してるけど…
私はチャンネルを変え、旅番組を見る。
テレビ
旅アナ
「この、ホテル…そのすぐそばを流れる川…
ここでは古くから紫河童の目撃情報があります。
最近も、泳いでるところを
目撃したという、県外のお客様もおり
その、紫河童を目撃した人は
幸福に恵まれる、そんな話も聞きました。
こちらに、ホテルの常連様であり
目撃者の旅客に来ていただいてます。」
こんなの見てると、紫河童さんに
会いたくなってきちゃう…
テレビ
目撃者
「いやいや、ほんとに!
雨の日だったけど紫河童様を見た
後に宝くじ買ったら一等があたって!
妻も子供も大喜びでね!
旅行先は、いつも
ここ、茄子豊穣市!
露天風呂から、川を見下ろせるから
今日も紫河童様の姿を家族で探しているよ。」
…雨の日…
私
春風 瑠璃音
「あの日は雨があがった後だったけど…
やっぱり、頭の水晶が乾いちゃうから
湿った日の方が出てきやすいのかな…」
そんな独り言を呟きつつ、昼食を完食して
麦茶を飲み干し…食器を片付ける。
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