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植木の為の仮住まい
ふ〜。こんなもんか。
真木千尋は軍手を脱いでダンボールの上に置く。自分の給料には不釣り合いな、立派なタワーマンションからの夕暮れは綺麗だった。
子供がいない、おじさんとおばさんがクルーズの旅に行くことになり、帰って来るまでの間、植木の世話を頼まれた。しばらく住んで欲しいとのことで、客間を使っていいらしい。正直こちらの家の方が会社に近くて助かる。けど、おじさんとおばさんが帰って来るまでの間だ。
ベランダは異国のように、さまざまなハーブなのかな?草木が置いてある。本当に日本なのかと思ってしまう。おばさんが好きそうな趣味のいいベランダだった。鉄製の深緑の椅子とテーブルが置いてある。おばさんはここで過ごしてたのかな?
渡されたメモにはイラスト付きの水やりのタイミングが書いてある。おばさん絵も上手いんだよね。
ここは角部屋で、2つ隣がオーナーさんって言ってた。
上と下の人にも会えなかった。オーナーと隣の人のインターホンを鳴らしてみたが、やはり不在だった。オーナーだけには挨拶して欲しいと言われていたので、上下と隣は諦めても、そこだけは諦めないでおこう。
備え付けの家具は大き過ぎて、少し真木には居心地が悪かった。これから少しは慣れていくだろうか。
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