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私たちは教室に戻る途中で、紙袋の中身をもう一度確認した。
ジャージの横の折菓子は、やはり鍵善さんのだった。
そこに封筒が入っていたから、私たちは階段の踊り場でそれを一緒に見ていた。
そこには、
『この前はありがとうございました。
私を助けてくれた人たちが、まさかあのスゥィート・メイプル・ムジクの人達だったなんて、とても嬉しく感じていました。
私はあなた達の音楽が好きです。
あなた達の音楽は素晴らしいです。
これからも応援してます。』
そう書いてあった。
「なんか嬉しいね!」
隣でそう言うスズカに、ウンウンと首を縦に振って答えた。
誰か、何かを助けることと、音楽は似ている。
私はその言葉を、心の中で反芻していた。
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