18人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
フライト2
飛行機が飛び立つ時の、あのなんとも言えないお腹と鼓膜が後ろ方面に引っ張られる感じは、重力によるものなのだろうか。
ちょ~っと気持ち悪い感じがしたのだけど、飛行機の窓の外で、いつも見上げている雲が、あっという間に見下ろすようになった頃、雲の割れ目から地図で見た通りの形の四国が見えていた。
その頃には、シートベルトを外していいよアナウンスが流れていて、先ほどまでの気持ち悪さはだいぶん軽くなっていた。
てか、私たち、すごい!!
「ねぇ!
私たち空飛んでるよ!」
通路側に座っているユウカにそう言うと、
「リンコ、あんた恥ずかしいから、そう言うことはピアニッシモで言ってよ。」
なんて事を言う。
いーじゃん。
すごいことじゃん!
恥ずかしいって、ユウカは人目もはばからずに私にハグするじゃん!
「リンコ、私のはいいのよ。
あんたへの愛だから。」
と、私の心を見透かしたように言うユウカだった。
まぁ、これがユウカなんだけどね。
私たちの付き合いは小学校に入る前からだから、もう十年以上になる。
最初のコメントを投稿しよう!