フライト2

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 そうしていると、途中から誰かに抱えられ、ふんわりと降下している感覚になった。 やがて目を開けると、豊かな森のなかで、西洋の騎士風の鎧を着けた人にお姫様だっこされていた。  愛しのコウジさん! ……と一瞬思ったのだけど、コウジさんにしてはちょっといかついかなぁ。 コウジさんはもっと華奢だし、オンナ顔だし……。 でもどっかで……?  コウジさんは、私の二つ上の先輩で、すごく憧れていた人なんだ。スゥィート・メイプル・ムジクの立ち上げのすぐ後に手伝ってくれて、それでね、告ってくれたんだよね~。 そんなコウジさんは、もうすぐT音楽大の三回生になる。 私も来年度からT音楽大生になるんだよ!  そんなことを思っていた時の事だった。  かっこよくふわりと地面に舞い降りたユウカが、私に向かってきているのだけど、明らかに怒っているようだ。 地面に響くヒールの音が、ものすごく力強い。  私はその時、まだお姫様だっこされていたんだよね。 「ちょっと!あんた! 私のリンコになんて事すんのよ! 私のものに気安く触らないでよ! それは私の役目なの! 土下座なさい! 今すぐに!」  プンスカと、めちゃめちゃ激おこモードで言っている。 それにしても、土下座って……。
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