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ヒナタ、アオイ、シバ
「ふーん、アオイちゃんって独占欲みたいな感情あったんだ」
リンコは遠巻きに2人を眺めながらふふんと言った。
「そうなんすよ。参っちゃいました」
「ところでシバくんヒナタちゃんはどう?」
「えー。すごい才能を感じますよね。なんか意外とクリエイティブというか」
「そうじゃなくてさー。もういい。だからあんた彼女できないのよ」
「えー」
そこにソウイチさんも混ざってきた。
「なんの話かな?」
「シバくんから見てヒナタちゃんはかわいいのかなーって思ってさ」
「へー。知らんけど。アオイちゃんはダメかい?」
「ダメよ。いやそういうダメじゃなくて、アオイちゃん馬鹿に利他的すぎるからねー。意外と本気で世界平和とか願ってそう。恋愛の話とかしたことないよね」
「まあ、いいんじゃない?今はゲームに夢中みたいだけど」
「ぼ、ぼく仕事に戻りますー」
「あんた本当甲斐甲斐しく働くねえ」
シバこと柴サブロウは、昔からこうだ。忠犬のごときき真面目さ。
そのき真面目さがこの街の話明けの明星こと、ケーキ屋ビーナスを支え続けてきた。
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