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「うん、寒い。ねえ、ストーブ点けてきて」
エアコンもあるが、冬は光熱費を抑えるために小さなガスストーブを使っている。
「嫌だよ、お前行けよ」
「何言ってんの。冷え性の私をベッドから追い出すなんて酷い!」
「すぐそこじゃ無いか」まあ、1Rだからほんのそこだ
「イヤ! 点けてきて!」そう言って、後ろ向きになった駿の腰の辺りを足で押した。
「何する」
「行って!」グッと足で押すと駿がズルっとベッドの端の方に動いた。
「おい、止めろよ」
「ダメ、行って」
また足で腰を押すとズルズルとさらにベッドの端の方に動いていった。
落ちかけた時、駿は「うわ、危ない」と言って、片足で立ち上がった。
「しようが無いなぁ、お姫様は」そう言って、裸のままストーブを点けに行った。
私が足で押したぐらいで駿が動くわけが無い。私の甘えに応えるために、私が押すのに合わせて駿が身体をズラして動いてくれたのだ。
ボッという音がしてストーブが点いた。狭い部屋だから10分もすれば、そこそこ暖かくなる。
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