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まだ、なにも手を付けず、カフェオレだけを飲んでいる私を見て「どうしたの? 体調悪い?」と訊いてきた。
「ううん、食べているあなたを見るのが好きなの。気にせずに食べて。私は(時間があるので)後でゆっくり食べられるから」
「そうか、舞花(私の名前)の作る食事はいつも最高だよ。美味しい」
そう言って、崩してとろけだした黄身を白身に付けながら食べていたが、その黄身をフォークですくって、私の口元へ持ってきた。
私は、口を開けそのフォークをしゃぶる。黄身の味が口の中に広がる。
その時、駿が小さなテーブル越しに顔を近づけて来た。
「ネクタイ気を付けて」そう言い終わらない内に、駿に口を吸われた。駿のキスを受け止め、目を閉じ舌を絡める。
それだけで気持ちいい。
口が離れ目を開けると、駿は椅子に深く座り、ブラックコーヒーに手を伸ばした。
コーヒーを飲みながら言った。
「そろそろ、一緒に暮らさないか」
「ホント? うん、暮らしたい」
「俺がこっちの方にくるよ」
「駿、会社遠くなるよ」駿は自転車で会社へ行っていた。
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