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見ていた人によると、スマホを耳に当てたまま、無言で崩れるように倒れていったそうだ。書店のスタッフが必死に私の名前を呼んでいたような、その声がずいぶん遠くから聞こえたような気がしたことだけは覚えている。
いつも駿が寝ていた側に横を向く。
「ねえ、ストーブ点けてきて・・・」ベッドの中で小さく呟いてみる。
駿に会いたい。
駿、もう一度、抱きしめて。
もう一度、キスをして。
・・・お願いだから、もう少しそばにいてよ。
涙が溢れ、嗚咽が漏れた。
【完】
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