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「おはよう、マーク」
ロッカーで声を掛けてきたのは友達のクリスチャン・ローレンスだった。彼はプライマリースクール(5歳~11歳までの小学校)からの友達で親友と言っていい程の仲だ。ブロンドの短髪に薄緑の瞳をしている。
「おはよう、クリス」
マーク達はセカンダリースクール(12歳~16歳までの中学校)に通っており、イヴは近くにあるプライマリースクールに通っている。
「今日学校終わったらマークの家遊びに行ってもいい? 新しいゲーム買ったからイヴと三人で遊ぼうよ」
「えっ、本当に! うん、イヴも喜ぶよ」
マークとクリスはよく学校が終わった後どちらかの家で遊ぶことがあり、イヴも一緒に三人で遊ぶこともある。クリスは一人っ子なのでイヴのことを妹のように思っているようだ。
「今日クリス遊びに来るって」
帰りのスクールバスの中でマークは隣に座っているイヴに話した。彼女は大きな瞳をパチパチさせながら笑顔で喜んだ。
もちろんだが、親友のクリスにも父親が自分達にさせていることを話すことは出来なかった······しかし、この日が三人にとって運命を大きく変える日になることなど夢にも思わなかったーーーー
「イヴ、次やるかい?」
「うん! やりたい」
三人はマークの部屋でテレビゲームをしていた。父親はまだ仕事で帰ってきていない。クリスは彼女にコントローラーを渡すとマークが笑いながら、イヴには難しいよと茶化すので彼女は膨れっ面をした。
「お兄ちゃんなんて嫌い」
「ジュースとお菓子持ってくるよ」
マークは彼女の言っていることは冗談だと分かっているので特に気にすることもなく、部屋を出て行った。
「あっ···負けちゃった」
「イヴにはまだちょっと早かったかな。普段は何して遊んでるんだい?」
「自分の部屋でお人形遊びしたり、パパとお兄ちゃんの三人で地下室で遊ぶこともあるよ」
「地下室?」
クリスは地下室というワードに引っ掛かりを感じ、更に聞いてみる。するとイヴは自分とマークが裸になり、積み木やボール等で遊んでいるところを父親がビデオカメラで撮影していることをニコニコとしながら話す。
その時ドアが開き、マークが飲み物とお菓子を持って戻って来た。
「コーラでよかった?」
「うん···ありがと」
「ほら、やっぱり負けてる」
マークは笑った。しかしクリスはイヴから聞いた話で頭がいっぱいだった······
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