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数日が経った頃、マーク達が居る児童養護施設に面会人がやって来た。それはエドガー・ローレンスとキャサリン・ローレンスの夫妻だった。この二人はクリスチャンの両親だ。
面会室の広間にマークだけ呼ばれた。彼が部屋に入ると来客用のソファーにクリスの両親が座っており、その向かいには施設の園長のハリー・バンクスが座っていた。
「クリスのお父さんにお母さん···」
彼は少し驚いたが園長に自分の隣に座るようにと言われ、マークは園長の隣に腰を下ろした。エドガーとキャサリンはお互い顔を見合わせてからエドガーが口を開いた······
「マーク···今回のことは本当にすまなかった。しかし見過ごす訳にはいかなかったんだ······」
エドガーの話によるとクリスの様子がおかしく最初は何でもないと言っていたが、両親が問いただしたところイヴから父親のしていることを聞いたことを話し、夫妻は警察へ通報したのだ。
「いえ···。あの、クリスは元気ですか?」
イヴは何も知らずにクリスに話しただけで、クリスはそのことで一人でずっと悩んでいたのだ······誰も悪くない、悪いのは犯罪を犯していた父親だけだ······
「ええ、あの子は大丈夫。···それでねマーク、私達イヴちゃんを養女にしたいと思っているの」
「えっ······」
「出来れば二人共、我が家の養子にしたいの···でも二人となると···だからイヴちゃんだけでも。まだあの子は小さいしこれから先、母親が必要になる時期も来るわ···どうかしらマーク」
イヴと離れるのは辛かったが確かに施設で暮らすよりローレンス家で暮らす方が幸せに決まっている。そしてキャサリンが言うように母親が必要になる時期が来るだろう······
「イヴには僕から話します。···あの、イヴのことよろしくお願いします」
夫妻は優しく微笑み、マークの元へ来ると彼を抱きしめたーーーー
「お兄ちゃんと離れるなんてヤダ!!」
マークは自分達の部屋で彼女にローレンス家で暮らすようにと話した。
「イヴ、お願いだから言う事を聞いてくれ···」
「どうしてお兄ちゃんも一緒じゃないの···?」
「···一人しかダメなんだ。向こうにはクリスが居るから寂しくないよ」
マークは強くイヴを抱きしめると彼女は何も言わずただ泣いていた······
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