introduction

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   放課後  この時間のこの場所は俺にとって特別だ  空も、西に広がる山並みも赤く染まり、町もどんどん影に呑まれ─────  もうすぐ、もうすぐ陽が沈む  正面の上空には小さな光が三つ  明滅し、少しずつ大きくなりながらこちらへと向かってくる  そしてそれを招くように手前から奥へと─────色とりどりのライトがざーっと走ってゆく  滑走路  真っ直ぐ伸びたアスファルトが光の線に縁取られるこの瞬間が大好きだ
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