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ダーーーーーーーーーン!!
ダーーーーーーーーーン!!
「やだわ!!あたしの命までも危ないわ!!
」
ネザーランドドワーフウサギのなのは、今置かれてる現実に危機感を感じて、脱兎の如く跳び跳ねて大きなストライドでピョンピョンと必死に逃げた。
もう何も考えず、ただ夢中で逃げた。
野を越え、
谷を越え、
川を越え、
木々を掻い潜り、
逃げまくった。そして、逃げまくった。
「くわばらっ!!くわばらっ!!くわばらっ!!くわばらっ!!くわばらっ!!くわばらっ!!くわばらっ・・・」
がしゃっ!!
「?!!」
突然、足元で鈍い音がしたかと思うといきなり地面から金属のワイヤーが飛び出して、あかりの後ろ脚を捕らえて、ググッ!!と締め付けてきた。
「キャーーー!!!!!!なにこれ!?!!」
宙高く引っ張り出されたワイヤーは、捕らえたネザーランドドワーフウサギのなのの脚を締め付けたまま上に飛び出し、そのまま宙吊りにした。
「な、なんでこうなるの?!」
ワイヤーの罠でくくられた片足が身体の重みで締め付けられ、身体中に激しい痛みが走った。
「痛いィィィーーーーーー!!痛いィィィーーーー!!助けてぇぇぇーーーー!!」
ネザーランドドワーフウサギのなのの脳裏には、走馬灯のように今までの薄幸の日々が現れてきた。
産まれた頃からゲージの中。
ペットショップで売れ残り、
買った飼い主にも放置され、
ずーーーっとゲージの中しか知らずに、
やっとゲージから逃げ出せて自由の身になったとたんに、この有り様・・・
「私なんか!!私なんか!!どうせー!!痛いィィィーーーー!!痛いィィィーーーーもういや!!!!!」
ネザーランドドワーフウサギのなのは、しくしくとすすり泣いた。
「もう二度とウサギに産まれたくない・・・こんな目に逢うなら、ウサギに産まれて来なきゃよかった!!もういやぁーーーー!!!!!痛いィィィーーーー!!痛いイィーーー!!脚がもげるぅーーーー!!」
激しく発狂して泣き叫ぶなのの括られた脚から、血が滲んできた。
「脚がぁーーーー!!脚がぁーーーー!!」
その時だった。
ささーーーーっ!!
がぶっ!!ばきっ!!どさっ!!
・・・・・・・
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