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ランドセル選び
皆川 佳子ちゃんは、幼稚園の年長さん。
今年のお盆にお母さんの生まれたお家に遊びに行った時、おじいちゃんとおばあちゃんが、
「佳子ちゃんは、来年から小学校だからランドセルを買ってあげようね。」
といって、大きなお店に行ってランドセルを買ってくれると言いました。
佳子ちゃんはびっくり。
本当はおじいちゃんとおばあちゃんで選んで買って、4月までに送ってくれようと思ったんですって。
でも、お母さんが、
「今時は子供に選ばせた方がいいかも。色も沢山あるし。私たちの時の様に赤と黒だけじゃないんだから。」
そういわれたから、ランドセルを買うのには少し早いけど、お盆に遊びに来た時に一緒に選びに行こうって。待っていてくれたんですって。
おかあさんの生まれたお家の近くは、今、佳子ちゃんが住んでいる所よりお店もお家も多いし、車も沢山通っています。
佳子ちゃんの家の周りにはないような大きなデパートみたいなお店も沢山あります。その中に、ランドセルをたくさん売っているお店があるのをお母さんが調べてあったので、そこにランドセルを買いに行きましたよ。
佳子ちゃんだって、ランドセルはもう知っています。
去年卒園した幼稚園のおねえさんやおにいさんがリュックサックみたいに背中に背負って小学校に行っているの見ていたから。
色々な色で、模様も違っていて、とても可愛いランドセルを背負っているおねえさんたち。
あんまり近くでは見たことがないから今日はとっても楽しみです。
お店について、ランドセルを売っている所まで行きました。
沢山のランドセルが並んでいて、佳子ちゃんはあちこちをキョロキョロ。
目だけじゃなくて足だって止まっていません。
あっちへパタパタ、こっちへパタパタ。
おかあさんが、
「佳子ちゃん、少し静かにしてよおく見てごらん。」
後ろから佳子ちゃんの肩を抱きました。
そして、並んでいるランドセルの一番端まで一緒に歩いて行ってドンナらのセルがあるかお話しながら一緒に見てくれました。
「色はどんなのがいいかな?ランドセルの蓋には模様がある方が好きかな?」
「ふたを開けると中にもいろいろ模様があるんだよ。」
佳子ちゃんは少しキョロキョロするのが収まって、今度はゆっくりとランドセルを見ます。
赤。ピンク。水色。茶色。佳子ちゃんの言えない色もありました。
『蓋の中の方まで模様が沢山あるのはちょっと嫌だな』とお母さんに言いました。
蓋の周りに綺麗に刺繍してあるのが好きなのです。
後、『赤はなんだかちょっと古いような感じがするの』とそれもお母さんに言いました。
蓋の縁がピンクのランドセルは可愛いと思いました。
それでもなかなかどれがいいのか一つに何て決められません。
お母さんとおばあちゃんで、佳子ちゃんのお話を聞いて、お店のイスとテーブルのある所に座りました。佳子ちゃんは疲れていたのでほっとしました。
そして、いくつか店員さんに持ってきてもらいました。
蓋がピンクで縁が少し濃いピンクになった蓋の周りに綺麗な刺繍がある物。
蓋が茶色で縁が綺麗なピンクで、蓋の周りの刺繍が綺麗な光る茶色の物。
蓋が藍色で縁がピンクで、蓋の周りの刺繍は少し豪華なもの。
もちろん、軽くて、今のタブレット学習に合ったものと言う条件はお母さんたちが店員さんに出していましたけれどね。微笑。
佳子ちゃんはふたを開けたところまで良く見せてもらって全体が茶色で縁が綺麗なピンクのランドセルを選びました。
お店の人は
「これはとても人気商品で、今在庫がないんですよ。でも来年の初めにはご自宅にお送りできます。」
と、お母さんとおばあちゃんに言っていました。
佳子ちゃんは、今はない。というとこだけわかったので、無いのか~。と少しがっかりしていました。
でも、それ以上選ぶこともなくランドセル選びは終わったので、別のお店に行くのかな?と思っていましたがそのままお昼を食べに行きました。
お昼を食べ終わる頃には佳子ちゃんはランドセルの事はすっかり忘れて、お子様ランチのハンバーグはやっぱり美味しいな。なんて考えていました。
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