到着

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到着

 さて、お盆からだいぶたって、お正月にはお父さんの生まれたお家に遊びに行って、勉強机とベッドが一緒になった大きなお買い物をしてもらいました。  もちろん、持っては帰れないので買った後すぐにお家に届けてもらいました。  佳子ちゃんはもう一人で眠れるようになったのです。もうじき小学生になるのですから。  勉強机はまだがらんとしていますが、佳子ちゃん専用のお部屋に運ばれました。その日から、佳子ちゃんは一人でベッドで眠りました。  最初の晩に佳子ちゃんは急にランドセルの事を思い出しました。 『ランドセルが無ければ小学校に行かれないよ?』  次の朝、幼稚園の準備をしていると 『ピンポーン』 「お届け物でーす。」  という声が聞こえました。  お母さんは荷物を受け取ると嬉しそうに佳子ちゃんの方に持ってきました。 「佳子ちゃん、ランドセル。やっと届いたわよ。」 「え~!ほんと?わーい。」  佳子ちゃんはてをピョコピョコさせながら踊りだしました。 「お店の人ないって言ってたのにみつかったの?」 「あら、よく聞いていたのね。あの時はお店では売り切れてしまっていたけど頼んでおいたから、佳子ちゃんへって作って送ってくれたのよ。」  もう、佳子ちゃんに言葉はありません。にっこりと笑って頬を紅く染めています。するとお母さんが 「でもね、汚したりぶつけたりすると入学式の時に恥ずかしいから、入学式までは触っちゃだめよ。」  佳子ちゃんはがっかり。  でも、もう、お家にランドセルがあるのですから学校にはちゃんと行かれます。  しばらくはビニールに入ったままのランドセルをそっと見て楽しんでいました。  でも、どうしても背負ってみたくてお母さんがご飯の用意をしている時にビニールからそっと出してしまいました。  背負ってみようとはしたのですが、新しいので、色々な紙やビニールの細いい紐で止められていて、結局背負うことはできずに、ビニールを開けたところも見つかってお母さんに叱られてしまいました。  早く小学校に行きたいな。
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