第1章 再会~鶴岡side~

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 何だ!?と思い、視線を感じた方に目だけ向ける。  そこには、一際目立つ生徒がいた。顔が整っており、高身長で遠くからでも目立つ。…あの位置的に3年生だろうか。何故かこちらを見て目を丸くしているのが見て取れた。  …知り合いか?とも思ったが知り合いだとしたら、あんな整った顔、忘れるはずがない。芸能人かモデルか何かやってるのではないかと勘違いするぐらいにはキラキラと輝いていた。そんなイケメンが何故こちらを凝視しているのか全く見当もつかない。  もう一人の新任の先生の話が残っていたが、彼は目もくれず俺の方だけを見ていた。そんな視線に思わずドキッとさせられた。相手は6、7歳も年下の男子高校生だというのに。  …ただ、同時に何となく拒否感も感じた。心の奥底から湧いて出てくる、言葉では言い表せない憎悪にも似た感情…。イケメンへの拒否反応か?とも思ったが、そんな感覚では無かった。でも、生徒に対して苦手意識を持つのは教師としてどうなんだと思い、その感情を取り払った。  始業式での担任発表でも、相変わらず視線を感じたが気付かないふりをした。彼のクラスは3-4。授業で関わりはあるが、クラス担任でもない。大した関わりはないだろうと思い、俺はこれ以上彼のことを考えないようにした。  始業式も終わり、HRが行われたがクラス担でもない俺にはそんなに出番はない。簡単な自己紹介と担当教科の説明ぐらいをして後は生徒と一緒にクラス担の話を聞いていた。  新しい教科書を運ぶ作業や、配布物を渡す作業等の雑用をこなし、忙しなく動いているうちにさっきのイケメン高校生のことも忘れてしまい、気付けば生徒が帰る時間だった。 「鶴岡先生、後片付け任せちゃってすみません。」 「いえ、これも俺の仕事ですから。島津先生は先に職員室戻っててください。」 「いいの?悪いね。じゃあお言葉に甘えて先に戻ってるわね。13時から職員会議もあるしご飯も食べなきゃだから早めに切り上げてしっかり休憩取ってくださいね?」 「お気遣いありがとうございます。すぐ戻ります。」  そう返事をして、さっさと作業をして戻ろうとしたその時、教室のドア付近から声を掛けられた。 「鶴岡聡先生。」  振り返るとそこには、新任式で視線を送ってきたイケメン生徒がいた。 「君は…」 「…楠木、想って言います。」  そう言った彼は、すごく切なそうな、哀しそうな顔で俺を見つめた。 「楠木君、下校時間は過ぎてるよ?」 「…本当に、覚えてないんだ…。」 「え?」
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