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2.霎時施 (しぐれときどきほどこす)
わたし:霎時施(しぐれときどきほどこす)は「小雨がしとしと降るようになる」ということみたいですが、霎は通り雨って意味みたいです。
なぎさ:一日中、小雨が降ったりやんだりって秋の雨らしいんじゃない? ここんとこいい天気だけど。
うそ寒のペディキュア決まらぬ愁い雨
わたし:中国の女性革命家に秋瑾って人がいて、彼女の漢詩の一節に「秋風秋雨人を愁殺す」というのがあるんだ。武田泰淳っていう小説家がこの表題で伝記を書いてるから、印象に残っている。
なぎさ:いいね! その激しい詩句だけでも残る価値がある。
わたし:新大塚に行った後、小石川でこんにゃく閻魔を見つけました。
なぎさ:こんにゃく? おでんに入ってる?
わたし:はい、そうです。上方落語に茶漬け閻魔って演目があるんですが、それと同じで閻魔がこんにゃく食べてるのかなって。
なぎさ:あたしは閻魔像がこんにゃくでできてるのかなと思った。
わたし:どっちもちがくて、眼病を患った老婆が21日間の祈願を行ったところ、夢の中に閻魔大王が現れ、「願掛けの満願成就の暁には、我が両目のうち、一つを汝に差し上げよう」と言ったそうな。
なぎさ:こんにゃくが山積みだね。
わたし:満願の日に老婆の目は治り、大王の右目は失明した。
なぎさ:いい話だねー。
わたし:老婆は感謝のしるしに好物のこんにゃくを断ち、供え続けましたとさ。
なぎさ:ん? ……あのさ、言っていい?
わたし:どうぞ。
なぎさ:老婆のやったことって好意の押しつけというか、好物の押しつけというか。閻魔はたまには大根やがんもどき持って来いよって内心思ってるんじゃないかなー。
わたし:ここにも西新井大師と同様に塩地蔵があります。
毘沙門天像もあります。他にも見るべきものがあるので、ぜひ見に行ってください。
なぎさ:明言したくないのかな。あとでこっそり教えて。
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