15人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
わたしとして今を生きる
「看護婦さん、看護婦さーん」
「はいはい。どうされましたか? 中林泉さん」
「食うたで、片付けてくれんかな」
「はい。中林さん、ついでにトイレに行っておきますか?」
「すまんの。手伝うてもらえるとありがたいがな」
「はい、中林さん、この手すりをこっちの手で掴んで、ベッドから下りてポータブルの前に立てますか? 一人でやってみてください」
「こうかい?」
「そうです。ゆっくり、そしてこの手すりを掴み直して。リハビリですよ。がんばりましょうね。紙パンツを下げましたので、ゆっくり腰を下ろしてください。終わりましたら、呼んでくださいね、中林さん」
「わかったで、看護婦さんはあっち行っといてくれんかの」
その時、わたしは看護師になる。そしてある時には……。
最初のコメントを投稿しよう!