わたしとして今を生きる

3/8
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「おーい、ヘルパさん」  週に二度通ってくれる介護ヘルパーだと思っているようで、その一人として向かい合う。 「中林さん、失敗されたんですね。大丈夫ですよ」  パジャマのズボンを脱がせ、汚れが拡がらないよう気をつけ紙パンツを破り取る。 「すまんの」  トイレットペーパーとシートを使い、あらかたきれいにしてから、蒸しタオルで拭く。紙パンツと替えのパジャマをはかせた。 「大丈夫ですよ」 「ヘルパさんがおってくれて、よかったで」 「ベッドに上がって休みましょう。わたしはこの部屋を掃除しますから」 「おお、すまんの」  ヘルパーという言葉に馴染みがなかった舅は、初めて聞いた時に「ヘルパ」だと思い込み、そう呼び続けている。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!