第十七章 理樹さん愛しています

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「東條さんとの事全然思い出せなくて、それに私達指輪をしてないんですね」 東條さんはしまったと言う表情を見せた。 「亜紀、ごめん、バタバタしてて、すっかり忘れてたよ、本当にごめん」 「大丈夫です、そんなに謝らないでください」 「退院したら、一緒に買いに行こうな」 私はどう答えていいか迷っていた。 しばらくして、亜紀は退院の許可が降りた。 相変わらずリハビリも兼ねて通院を余儀なくされた。 「亜紀、このマンションが亜紀と俺の住んでいたところなんだ」 部屋に入ると、亜紀はキョトンとしていた。 「どう、まだ何も思い出せない?」 「そうですね」 「こっちが亜紀の部屋だよ、ベッドを買っておいたから、今日からここで休んでくれ」 「ありがとうございます」 しばらくして、健がマンションにやって来た。 健にはいろいろ世話になりっぱなしで、亜紀の術後の後遺症も話をしたら、すごく驚いていた。
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