11人が本棚に入れています
本棚に追加
私は一人になりたくない。みんなと同じでいたい。一人蚊帳の外は嫌。特に三人グループはいろいろと難しい。中学の時も三人グループで、自分が会話に入れないことが多々あって、みんなといても疎外感を感じることが多かった。高校ではそんな思いはしたくないと思って、自分なりにみんなと話を合わせようと努力してきたつもりだ。
「今朝、お昼買いにコンビニ行ったら、拓海くんが表紙の雑誌があって!」
「うわ! マジで!」
「最後の一冊だったから、即買い!」
カバンの中から、その雑誌を取り出して得意げなよこ。
「マジでこの拓海くんサイコーじゃん!」
キャピキャピとはこのような状況を言うんだなと、よことやまを見てそう思った。
「見て! うめ、どうよ!」
満面の笑みで私に雑誌を向けるよこ。
「うん、かっこいい!」
「だよね〜。この笑顔で一日頑張れる!」
毎日こんな繰り返し。
拓海くんも別に嫌いじゃないよ。二人ほど興味はないだけで。よことやまは私と友達だから一緒にいる。ちゃんと「うめは?」って話を振ってくれる。友達だからだよね。
でも、拓海くんの好きなところを聞かれても困る。吹奏楽部の話をされても、私は入っていけない。私が好きなアニメの話をしても「よく分からない」と言って、二人はつまらなさそうなんだよね。私の話が終わると、また拓海くんの話が始まる……。
最初のコメントを投稿しよう!