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私は一人になりたくない。でも本当は気付いている。この仲良し三人グループの中で、私は浮いているんだ。離れないように必死でしがみついているのは私。
ねぇ、よこ、やま……。私に、興味ある?
心の中で思っていても、誰も答えてはくれない。
「うめ〜! ノート写させて!」
「うん、いいよ。英語?」
「そう! 今日提出だったのすっかり忘れてて」
またいつものか……と、私はやまにノートを渡した。
「あ〜、助かった。昨日拓海くんがゲストの生配信があったじゃん。リアタイしないと意味ないじゃん?」
「やま……。あんた最初からうめのノート写すつもりだったでしょ……」
よこに言われて、ん? と、とぼけたような顔をするやま。
「だって、うめ頭いいからほんと助かる! ありがとね、うめ」
ははは……と愛想笑い。こんなことしょっちゅうだから、慣れっこだよ。
「あ〜、やまちゃん、またうめちゃんのノート写してる!」
やまの席の横を通り過ぎる時に、クラスメイトの久保田那月が言い放った。
「だって、昨日拓海くんリアタイしたくてさ」
少しも悪びれる様子もなく、急いで手を動かしながら答えた。
「拓海? ……あぁ、LOOP、だっけ?」
「そう! 拓海くんって国宝級イケメンでしょ! なっちゃんもそう思うよね?」
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