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やっぱり私が思ってたとおり、なっちゃんはかっこいい。そんななっちゃんだから、なっちゃんを慕う友達がたくさん集まってくるんだ。
一人になりたくないと演じてきた自分は、よこややまに嘘っぽいと思われただけじゃなく、自分自身にも嘘をついてきたのかもしれない。
なっちゃんの強い笑顔に、私は目を潤ませた。
「私も……。私も素の自分でいたい」
「だよね。私はうめちゃんの前でも、ちゃんと素の自分だから安心しろ〜」
なっちゃんは照れ笑いで、私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。
なっちゃんと話せてよかった。ちょっとスッキリした。
見上げた青空が、一段と澄んで見える。明日も同じ空が見えるといいな。
「あ! 顧問に用事言われてたんだった。ごめん、なっちゃん行くね! ありがとう!」
慌てて職員室に取りに行ったが、部員のみんなにブーブー言われたのは言うまでもない。
翌日、私はいつもとは違う緊張感に襲われていた。あの話を聞いていたことを、二人は知らない。いつも通り「おはよう」って言えばいいだけなんだ。
よことやまが話しながら歩いているのを見かけた。私は大きく一つ深呼吸をした。よし、と握り拳に力を入れて、自分を鼓舞する。少しかけ足で二人を追いかけた。
「おはよう」
私は緊張を隠して、いつものように声をかけた。
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