一霊目

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一霊目

午後十二時をまわったところ。 俺は棺桶を抜けた。 体は軽くて飛べるけど自分の声が高すぎて嫌になる。 俺はコンビニに向かった。 最近は二十四時間体制のコンビニが減ってきている。 このコンビニはそれが売りだから大丈夫そうだ。 国からは大丈夫ではないかもしれないが。 コンビニで目当ての物を見つけ持っていく。 俺のお腹には透明なポケットがある。 中に入れるとあら不思議。見えなくなる。 そこに俺は入れコンビニを後にする。 もちろん警告音なんか鳴らない。壁を抜けて出入りできるから。 店には悪い。だが売れ残りを持っていってるのだから逆に感謝して欲しいものだ。 俺はその後、ある家に向かった。 いつもの癖でつい高く飛んでしまう。 仕方なく上から家に入った。 ベッドには子供が寝ていた。触ってみるが感触がない。 本当に俺はもう死んでしまったのかと改めて思う。 お腹のポケットからその物を取り出してベッドの脇に置いた。 こうして俺の『お墓参り』、通称『家族参り』は終わった。 朝。 「ママ〜!サンタさんからプレゼント届いた〜!」 子供の手にはプラモデルとコーラがあった。
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