幽霊はどこへ

五霊目？

俺こと安田俊明は土の中から何とか抜け出し地上へと戻ってきた。
吹く風が心地よい。俺は一つため息を付き、体に付いた土を払い、街へと入っていった。

街の中は大賑わいだった。多くの屋台で賑わっている。そう今日は『夜空祭』当日。俺は人混みをかき分けながら街中を進んでいく。
あるところまで行くと俺は路地に入った。
路地に入ると先ほどまでの騒々しさがまるでなかったかのように止んだ。
路地は先ほどの通りと比べると狭く街頭の間隔も広くなった気がする。

そのまま路地を右に曲がり左に曲がり、少しずつ道が狭まっていく中を俺は歩いた。もう辺りは住宅街だ。
ほとんどの家は夜空祭に出かけているのか電気がついておらず、心細くなるような暗さだった。しかし俺にはそれよりも暗いものがあった。

少し進むと目的の家が見えてきた。
俺は家の扉を持っていた合鍵でゆっくりと開けて侵入した。
無論その家も電気はついていなかった。つまり無人だ。
そして俺は家の中に留まった。

少しして男が家に帰ってきた。
パチっと言う音とともに俺は駆け出し男の腹部に刃物を突き立てた。
そして回しながら押し込んだ。
男は腹部を押さえ呻き声を上げながら倒れた。
そして俺は言い放った。
「生き埋めにしやがって。今度はお前の番だ。苦しめ足掻け。フハハハハ」