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―Ⅳ.週末の相談Ⅱ 次の週末Ⅰ―
「今回は、少し無理して、全員だったけど、次は分かれないとだね」
「だな。まあ、その辺り…アルが考えんのかなあ…」
ミナの言葉に、自分の役目はここまでかと考えていたジュールズは、軽く返した。
ミナも、特別、自分が考える必要があると思ったわけではないのだけれど、少女たちの顔触れと、その表情を見て、ふと、思い付いた。
「あ、ね、次の週末は、買い物を申し出てみてくれない?留学者も、郊外に学習に出るでしょ?そういう小旅行用の整えって、無いと思うのよ。ジェッツィたちには、週末、ユーカリノに来て欲しかったりするし、そのときに、ね、孤児の子たちも、採石に来させたらどうかな。充分な財産を持たせたら、今後の生活を考えられないかな。生きるために生活するんじゃなく、生き方を考えるために、生活するように」
寛いでいたジュールズは、さっと背筋を伸ばした。
「買い物だから、同年代に分かれたらいいと思うのよ。男女は、適当に。余計な買い物だったら、街歩きでもいいし。ほら、自分で旅装を考えるっていうことを、してもいいじゃない?10歳ぐらいの子は、ちゃんとした助言が必要だけどね」
確かにそれは、ただの楽しみではなく、自立への一歩でもある学びだ。
時期としても、短期留学の者が居ることだし、来月からでも、郊外や、国を出る遊学の備えは、欲しいところだ。
「具体的な計画も、考え始めて、週末に、何を買ってもらうか、伝えられるようにするのよ。今週は、そうしたらどうかな?」
国政に関わる、留学者への配慮ではなく。
ただ、養い子とその友人たちのための、親しみ合う機会をと。
ジュールズは、ミナだなあと思いながら、うん、そうだなと、了承した。
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