3人が本棚に入れています
本棚に追加
5
「花咲――って――ギャップの塊――ねー」
隣からの声に顔が引っ張られる。気を引く名詞により、つい耳を傾けてしまう。ちなみに、現在先輩は不在だ。
「でも、めっ――くりしましたよ。だってあん――声出せるのに――っちゃ小さいし、喋んないし。意見すらしないし。でも、あんな人――出来るんだなーって――ました」
滲む無礼に睨みを送ったものの、当人は気付かない。腹は立ったものの、疑問にだけは共感できた。
なぜ、あれほど控えめな先輩が舞台に立つのか。僕には想像もつかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!