Ⅴとノアのハロウィンパーティー

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 ノアに何も言えなくなったⅤは、「ぶい~」と言いながら膝を抱えて部屋の隅に座り込む。  ノアは優雅に黒髪をひるがえしてカメラ目線で言った。 「はい、世界一くだらないいじけ方がこちらになります」 「ノアも、何かびっくりすることがあったら『のぅあっ!?』って言って驚いていいんだからね」 「そんな馬鹿らしいセリフギネス一位を遺言にしたら後悔しませんか博士?」  言うが早いかノアの右ストレートが飛び、カメラの端からぴょこんと顔を出していたⅤは勢いよく吹っ飛ばされてお空の星になる。パンパンと両手を軽くたたき、白衣をなびかせて座り直すノア。桜色の唇を、再び紅茶のカップにつける。 「ひどいじゃないかノア!」 「今のは誰がどう見ても百二十パーセントあなたが悪いです」  お空からパラシュートで帰還したⅤは、ノアに軽くあしらわれた。 「お菓子ならたくさんありますから、とりあえず今日のところは黙っていてください」  ノアは淡々と冷たい声で言い放つが、Ⅴのほうを見ようともしなかったために、『お菓子ならたくさん』のところで、長い前髪の向こうのⅤの瞳がきらりと光ったのを見逃した。
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