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「砂チワワ……ででん! これが私の発明した今年のはろうぃんすーつ! 透明クッキーだあああ!!!」
「今世紀一無駄な時間を過ごしてしまいました」
Ⅴが片手にクッキーを持っているようなポーズをとるが、当然その手のひらには何も乗っていない。もう呆れすぎてため息も出てこないノア。
「ふっふっふ、安心しなさいノア。透明じゃないじゃん! と思うかもしれないが、実はこのクッキーは幾度の挫折と発明を繰り返した結果、心の汚れた人間は見ることができず、心が綺麗で子供心を忘れない人間だけが見られる過去最高傑作に仕上がったんだ!」
「博士って精神年齢乳幼児の認識でいましたけど、もっとひどかったんですね」
ノアの視線は南極の二倍ほど冷たい。
「博士、そのうち詐欺を働いて王様を裸で歩かせたりしませんか?」
わりと本気の顔でそう言われたものの、Ⅴはここまで被っておきながら元ネタを知らなかったらしい。
キョトンとした顔で、「裸で歩く王様? そんな変態居るわけじゃないじゃないか」と言い出した。もしかしたら、王様が裸なのを指摘した子供は幼いⅤがモデルかもしれない。
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