2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……? え、博士何してるんですか」
「仕舞ってるんだよ。失敗作とはいえ自分が作った発明品は捨てられないし、取っておけば今後の発明に繋がるかもしれないからね」
失敗作を捨てない精神だけは博士なのだが、ジェスチャーが意味不明だ。
しかしそれ以上に、ノアが衝撃だったのは。
「ちょっと待ってください、博士が自分の発明を失敗って認めたの、シリーズ七作品目にして初じゃないですか!? 何があったんですか!?」
「失礼なことを言うね、ノアは。失敗作は失敗作だよ。私だって、自分の発明全てが完璧だと思ってるわけじゃないからね」
Ⅴはぶすっとして膨れるが、ノアの頭にはクエスチョンマークが浮かぶ。Ⅴは今まで数々のろくでもない発明品を開発してはきたものの、自分でそれを「失敗」と呼んだのを見たことがない。たいてい、ノアに指摘されて泣きわめく。
「ちなみに今のって何が失敗だったんです?」
「だって心の綺麗な人なら見えるはずなのに、ノアは見えなかったんだろ? じゃあ失敗じゃないか」
「……」
さらりと言われたノアは黙りこむ。
最初のコメントを投稿しよう!