教会へ

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「お疲れ様でしたね、ウイカさん。紡績ギルドに戻って大丈夫ですよ」 「どうも、この教会はこういう事をさせられるんですね」 「ジェーンドゥ様も悪気はないんだと思います。ですが、どうか許して頂きたい」 「わかりました」 教会には二度といくもんかと思いながら、私はフォンテさんの後ろについて紡績ギルドに向かう。フォンテさんは異端審問の一部始終を知っていたから、先に手を打っていたんだ。最終的にハイブリティアの人たちを欺く事になってしまうが、そうでもしなければ、この城下町では生きて行くのは難しいという事だろう。 「お嬢さんがた、新しい薬が出たらしいけど試してみます? 教会の治療よりマシだという噂もありますが」 道中で公示人が声をかけてきた。 「教会の治療は瀉血(しゃけつ)でしょう。悪い部分の血を抜いて治す四大体液説にもとづいたものだけど、民間医療のお薬を持ち込んで平気なの?」 「四大体液説?」 「体には四種類の体液が流れているのを、モンスターの解剖で発見したのが始まりと言われているのよ。人によっては気絶するまで血を抜く事もあるとか」 「とんでもない治し方をするんですね」 「昨今、黒き呪いにかかって死亡する人が増えてるそうですが、どうやらその黒き呪いにも聞くのではないかと噂されています」
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