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「私も同感ですジェーンドゥ様、そのような事をしなくとも、神の祈りを詠唱させれば済む事ではないかと」 フォンテさんが意見してくれた。神の祈りと言われても私はプルテス教徒ではないので、わからないのだが、一体どう祈れば良いのだろう。 「宜しい、ではウィズスミスさん。神の祈りを詠唱してみなさい」 ジェーンドゥがそう命じた途端、フォンテさんが付けてくれた魔法が発動する。 「主はいつ如何なる時も、私たちを見ておられます。時に試練をお与え下さり、試練に耐え抜いた者には大いなる祝福をして下さります。この世に起こる事は全て主のご意思。主は信じる者こそお救い下さいます。富める者も貧しき者も、善き者も賤しき者も。主よどうか私をお救い下さい」 口紅が流暢な神の祈りを詠唱する。私の家族や同胞がこんな目に合うのが、試練だというのか。信じれば本当に救ってくれるのか。ならば、今まで教会に苦しめられたウィッカンの人たちを救ってくれる筈だが、プルテス教に属さなければその恩恵は受けられないのか。笑えない冗談だ。そう思うと私は唇を強く噛みしめた。 「ちゃんと詠唱出来ますね。宜しい、ウイカ・ウィズスミスさん、あなたを正式にハイブリティア城下町の国民として認めましょう」 「あ、ありがとうございます。ジェーンドゥ様」 見た所、フォンテさんの魔法はジェーンドゥには見えていないようだ。これは魔法耐性のある人しか見えないようになっているのかも知れない。
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