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男はとある悪魔と契約し、1日を25時間にしてもらった。
悪魔は言った。
「お前の1日が1時間増えようとも、お前の寿命の総時間は変わらない。つまりお前は1日1時間ずつ死への歩みを早めることになる。それでも良いのだな」
男は頭の中で計算した。1日1時間ということは、24日で1日、240日で10日、その半分の120日で5日、240と120を足して360日で15日、そうすると365日、つまり1年で、15日と5時間、自分の時計が余計進むことになる。10年でも半年にも満たない。それくらいなら良いのではないか。何よりこの仕事の忙しさ。過労死寸前だ。1時間でもいい。その時間眠ることができたら。
男は悪魔と契約した。それが本当は何を意味するのか、その時の男にはわかっていなかった……。
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