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パンツが何なのかはわからなかったが、どうでもよくなった。宗司郎が俺の中心をやんわり握ってきたからだ。
「ひぃっ……!そこは……!」
「どう?気持ちいい?」
宗司郎の温かい手が俺を包んでゆっくり上下する。ぞくぞくと腰の奥が疼いて仕方がない。気持ちいいというよりは怖い。そうだ。俺は今、恐怖を感じていた。こんなことをされてはどうなってしまうかわからない。涙が一粒ぽろりと落ちた。何か高温の奔流が襲いかかってくる気がした。
「怖いっ……!もうやめて……!」
「泣かなくて大丈夫だよ。いっていいよ。」
「ぅあっ、だめっ!だめぇ!」
上下運動が速度を増し、腰が浮く。とろっとした液体が先端から迸った。全身ががくがくと震え、あまりの快感で視界に火花が飛ぶ。
「はぁ……ぁ、あ……。」
「いっぱい出たね。」
腹に白濁液が飛び散っていた。何これ。もしかしてこれが妖力?
宗次郎の手にもかかってしまったらしく、宗司郎は赤い舌を伸ばしてぺろりと舐め取った。あの舌がさっき、暴れ回っていたのだ。先ほどまでの行為を思い出すとかっと顔が熱くなり、慌てて目を逸らす。
肩で息をする俺に、宗司郎は穏やかな声で言った。
「本当はもっとしたかったけど……。初めてみたいだし、今日はここまでにしておこっか。疲れちゃったでしょ。」
「はぅ……。ここまでって……続きがあるってこと……?」
冗談じゃない。どんぐりを探すよりも妖怪から逃げ回るよりも人間を騙すよりも疲れた。
「うん。でもキスで妖力はもらったし、壱葉に無理してほしくないから。」
「そ……そうか……。」
「エッチでかわいかったよ。」
「ううぅ……。」
エッチって何だよ。訊こうと思ったが、嫌な予感がしてやめにする。裸であることを唐突に思い出し、今度こそ横を向いて膝を曲げ、体を小さくした。宗司郎が、あっと声を上げる。
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