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さわさわと宗司郎の手が蠢く。痛くはないがくすぐったいことこの上ない。宗司郎は右手を絶えず動かし、胸にある突起に指で触れた。途端にびくっと腰が浮く。
「ひっ!」
「乳首も感じるんだね。本当に敏感だな。」
そのまま宗司郎は指でくりくりと乳首を捏ね回した。いつの間にかもう一方の手も服の中に入ってきていて、左の乳首をぴんと弾かれる。
「あッ……!あっやめろって……!」
下腹部がじんじんと熱を持っているのがわかる。制止は聞いてもらえず、宗司郎の左手が俺の服の裾を捲くった。
「服、脱ごっか。脱がせてあげるから、ちょっと体を浮かせて。」
「う……うぅ……。」
これは妖力を渡すために必要なことなんだよな、きっと。仕方なく俺は指示に従った。上体を起こし両腕を上げると、宗司郎は服を引っ張り俺の頭から抜いた。
服を脱ぐのは恥ずかしい。狸の姿のときは裸だというかもしれないが、よく考えてみてほしい。狸のときはもふもふした毛があるから決して裸ではない。人間はおかしい。毛が必要最低限にしか生えていないからといって服を着る。それなら最初から毛を生やせばいいのに。
もじもじしていると、宗司郎が体の左側をじっと見つめているのに気付いた。左肩から脇腹にかけての二本の傷跡だ。いつ付いたものなのかは覚えていない。かなり時間が経っているように思うが、そこだけ皮膚が縮れており目立つといえば目立つのかもしれない。
何か言ったほうがいい気がして、おずおずと口を開いた。
「この傷、気づいたらあったんだ。不思議だろ。」
「うん……。」
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