コピー解禁

そんなとき、あたしは上司の早坂さんを真似し始めた。

仕事ができて、みんなのリーダー、旦那さんは県庁のエリート、かわいい子供2人の母・・・とってもいい。

「お待たせしました？」
「いいえ。今日はありがとうございます。」
「僕でお役に立てるでしょうか？」
「はい。社会人留学したいんです。でもお金がそんなになくて。」
「あぁ、みんなそうですよ。奨学金の取り方、コツがあるんです。」
「・・・教えて・・・頂けますか？」
「僕で良ければ、よろこんで。」

早坂さんはやさしい。もちろん、旦那さんのほう。

ごめんなさいね、奥様。あたしコピーせずには、いられないんです。