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五.
「おかえりなさい、セラ。
お遣いもおまじないもちゃんとできたのね、偉いわ、ありがとう」
「あはは、なんだかおかしかったよ!
なんでこんなことしてるのかわかんないのもおかしくて、つい私いっぱい……って、ヴィミル、その怪我、どうしたの?」
セラを迎えたヴィミルの顔や腕には、幾つもの小さな傷が付き、血が伝っていた。
「ふふ、いいのよ、大丈夫。
これは……そうね、絆かしら、あなたと私の。
家族って、血が繋がってるものでしょう?
これで私たちは、本当の家族、みたいなことよ」
「よくわからないよ……。
本当に大丈……ぶっ」
心配そうなセラをヴィミルが固く抱き締め、
「大丈夫なの、気にしないで。
それよりまたお遣いがあったらお願いするわ、おまじないもね」
傷だらけの腕で優しく頭を撫でた。
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