Pと私のコイバナ

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 ところが異国の宣教師なる人物によって、「P」の概念を押しつけられてしまい、私は幼馴染で最も親和性が高い「は行五兄弟」と結婚させられることになりました。  私の友達に、きつい感じの美人である「(だく)(てん)」さんという(ひと)がいますが、彼女は「か行五兄弟」や「さ行五兄弟」、「た行五兄弟」とも重婚し、私の夫「は行五兄弟」とも淫らな関係にあります。「濁点」さんは美人だからと浮気も不倫も何でも許されていて、「あ行五兄弟」や「な行五兄弟」、時には「ん」さんともいやらしく関係を持っています。  片や私は、未熟者ゆえに「は行五兄弟」と添い遂げるしかなく、()れた身体を持て余してしまうときも多いのです。  でもね。こんな半端者の私を拾い上げてくれる人はわりといて、響きが美しいと言われているアイヌ語では、「セ」さんや「ト」さんや「ツ」さんたちと仲良くさせてもらっていましたし、近年では声優養成所という学校から誘いを受け、本来ならば相性の悪い「な」さんや「ま」さんなどともペアになったりしています。  だいぶ慣れてきましたが、やっぱり別の人と恋する新鮮な気持ちはいつもあって、長く連れ添った「は行五兄弟」には悪いけれど、胸がどきどきしちゃうんです。禁断の恋。女はときめきを忘れちゃいけませんから、全ての文字さんと関係を結んでみたいと思っちゃいますね。
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