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その紫音くんは、大きくなるにつれ、その天然さ加減に、拍車がかかった。
中学三年生の時、紫音くんは、あたしに言った。
「ねえ、リカちゃん、ぼく、今度、アイドル事務所のオーディションを受けるんだ。『向日葵坂46』に入りたいの」
はあっ?
向日葵坂46と言えば、かわいい女の子ばかりのグループだ。
あたしが、そう教えてあげると、紫音くんは、ビックリした。
「ええええっ?! そうなの? ぼく、入れないの?!」
当たり前だろう……。
アンタは、れっきとした男だ。
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